平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

ノボシビルスクにいったい何があるというんですか?

今日は「北方領土の日」らしい。その昔、日露和親条約が結ばれたのが今日だった、というのがその由来とのことだ。もちろん、「今日だった」といっても今年のことではなく、ずっと昔の話である。
それにまつわるテレビのニュースの音声をなんとなく聞いていたら、ナレーターがこんな言葉を発音した。その音声に反応してふと画面を見ると、表示されたテロップにはこう書いてあった。

「ノボシビルスク」

かつて、そういうニックネームの友人がいた。「いた」というと過去形になるが、彼とは今も付き合いがある。ただ、今はノボシビルスクとは呼ばれていない。
ちなみに彼の本名はフルネームで6文字だ。ということはノボシビルスクのほうが1文字長い。
本名より長いニックネーム。ましてや言いやすい言葉というわけでもないし、ニックネーム界の異端児と認定したいところだ。ちなみにこれは僕が命名したものではない。
はるか昔に世界史の授業で教わった「ノボシビルスク」という言葉をいまだに忘れずにいるのは、そのニックネームのおかげといってもいい。ニックネームにするにはやや違和感のある長さと発音が、僕の記憶にひっかかるフックになったのだろう。

それはそれとして、「ノボシビルスク」とはなんなのか、そこのところがうまく思い出せない。なんとなく地名だったような気はするのだ。人名でも、名物料理でも、必殺技でもなく。
地名だとしたら、いったいそこで何があったのだろう。何かがあったからこそ、その名前は世界史の教科書に載り、教師はそれについて解説したのではないか。
あの薄暗い教室で、白髪の教師は、声を振り絞って僕たちに何を伝えようとしたのだろう。その時、ノボシビルスクで何が起きたのか。

正直なところ、それについて興味があるのかと問われれば、「まあまあかな」くらいではある。