平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

君の名は。

ラグビーで有名なリーチマイケルさんという人の「リーチマイケル」が、「リーチマイケル」というひとつの言葉なのか、それとも「リーチ」と「マイケル」というふたつの言葉なのか、そこのところがよくわからなかったのである。
これはもしかすると、ラグビー熱が盛り上がっている今、もっとも口にするのに勇気がいる類の疑問かもしれない。

ちなみに、テレビなどで耳にした印象では、「リーチマイケル」はひとつの言葉のように発音されているような気がする。ただまあ、「リーチマイケル」が「リーチ」と「マイケル」というふたつの言葉であったとしても、氏名の場合は区切りなくひとつの言葉のようにつなげて発音するものなんだよ……と言われればそういう気もしないでもない。「しないでもない」と、ややあいまいな言い回しになってしまうのは、今までそこのところをあまり意識したことがなかったからだ。あれあれそういうものだったかな、と、リーチマイケルと同様、カタカナ表記の名前をいくつか思い浮かべてみる。マイケルジャクソン、レオナルドディカプリオ、ペヨンジュン。

インターネットで読む記事などを参考にすると、「リーチマイケル」とひとつの言葉のように書く場合、「リーチ マイケル」と半角スペースを入れる場合、「リーチ・マイケル」となかぐろ(・)をはさむ場合など、いくつかの表記があることがわかる。それほどたくさんの記事を確認したわけではないので、どの表記がいちばん多いのか、というところまではよくわからない。

そういえば、大昔にこれと似たような方面の疑問を抱いたことがある。あれは、何かの授業で柔道の父こと嘉納治五郎の名前を聞いたときのことだ。

「嘉納治五郎」とは、「かのう」+「じごろう」なのか、それとも、「かのうじ」+「ごろう」なのか。

その名前をはじめて聞いた僕は、それがわからなかったのである。それはおそらく小学生の頃だったと思うのだが、「かのうじごろう」から考え得る候補①の「かのう」+「じごろう」も、②の「かのうじ」+「ごろう」も、どちらも少し嘘くさいような気がして、どちらが正解なのか推測すらできなかったのだ。
教科書で確認しようにも氏名を構成する5文字の漢字はすきまなくぴっちりとくっついて印刷されているし、この内容の質問を教師にする勇気もなく、謎は謎のまま僕の中にひっそりと収納され、その後うやむやになってしまった。嘉納治五郎についての謎がうやむやになってしまったところで、その後の僕の人生に特に不便はなかった。
それにしても、小学校の授業で嘉納治五郎が登場する科目とは、いったいなんだったんだろう。

ところで、僕の中の「リーチマイケル」問題については、その後ちょこっと調べてみたりして、自分なりに納得のいく結論を出すことができた。「リーチマイケル」とは、僕の想像よりほんのちょっと複雑な出自の名前のようなのだ。

リーチマイケルさんの本名は、マイケル・リーチさんというらしいですね。