平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

好きなコーヒーを少しばかり。

上野公園周辺はなかなかの快晴ではあったが、野外ステージにはけっこうしっかりとした屋根がついていて、日陰になるせいか絶えず風が吹いていたからかずっと座っていたからかけっこう肌寒かった。

「Lotus music & book cafe '18」というタイトルのイベントではあったが、形式的にはわりと普通の音楽のフェスなのであった。朗読のコーナーがあったりはしたが、それも歌とセットになっていた。
比較的前のほうの席に座ることができたので、ステージは近く、そこから直に流れてくる音楽をぼんやりと聴きながらぼんやりとした顔をしてぼんやりと考えごとをしたり飲み食いしたりするのはなかなかいい気分であった。

飲み食いといえば、会場には3台のキッチンカーが来ていて、そこから僕が買ったのはホットドックとキッシュとサングリアとコーヒー豆だ。コーヒー豆はもちろんその場で食べるわけではなく、描かれている熊のイラストがかわいかったので自宅用に買った。サングリアがなくなったら温かいコーヒーでも買いに来ようと思ったりもしたのだが、フェス開始後どんどんキッチンカーの待ち行列は長くなり、行列が長くなるとやる気がどんどんダウンしていく体質の僕は、「まあ、今回はご縁がなかったということで」みたいなことをつぶやき、その後、キッチンカー・ゾーンに足を運ぶことはなかった。コーヒー豆がわりとリーズナブルな価格だったのに対し、ホット・コーヒーはちょっとお値段高めのような気がしたし。
これはまったくの余談であるが、いや、この文章に余談以外の部分があるのかという話もあるが、僕は比較的ホットドックが好きなようで、見かけるとつい買ってしまうようなところがある。特に熱い情熱やこだわりがあるわけではなく、そういえばコンビニで売っているアメリカンドックもかなり好きなので、要はソーセージと小麦粉の組み合わせが好きなだけなのかもしれない。

ところでそのフェスには高田漣が出演していて、父親である高田渡の曲を何曲か歌ってくれた。その中には僕が気に入っている「コーヒーブルース」も入っていて、雑な言い方でアレですがかなり儲けた気分になる。
ちなみにこの歌は、京都にある有名なコーヒー屋に、少しばかりコーヒーを飲みに行こうか、というような内容のもので、やはりというかなんというか、「ああ、さっき面倒臭がらずにコーヒーを買っておけばよかった」と思ったのであった。とてもコーヒーが飲みたくなってしまったのだ。