平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

夢みるように眠りたい。

日付が変わるその近辺、僕は会社でキーボードを叩いていた。 金曜夕方に出社して、土曜深夜に仕事が終わる。そういう時間帯でしかできない作業というものが時々あり、会社員ゆえにやれと言われればやるしかないのだが、いつも眠っている時間帯に仕事をするの…

柴犬兄弟。

とぼとぼと伏し目がちに歩いていたら、五つ子と思われる柴犬の兄弟と目が合った。 兄弟はマンホールの上にいて、興味津々といった風にこちらを見ている。 こちらに話しかけたそうにうずうずしている兄弟にあいさつをして、うつむいて歩くのも悪くはない、と…

ダリンダリンダ。

とあるマンションのそばに、ワンボックスカーが止めてあり、そのマンションから出てきた男がふたり、車の中に荷物を運びこんでいる。僕は、男たちが運び込んでいるものの名前が思い出せず、あれ、なんだったっけな、と考える。 車の中にはすでに別の物が置か…

白い眼鏡。

比較的高い年齢層のメンバーの中で仕事をしているということもあって、世の中の流行り廃りみたいなところが疎くなっている……という風に書いてしまうのも問題があるのかもしれないが、少なくともまあ、職場の僕のまわりの状況はそんな感じなのである。 もちろ…

眠れぬ夜のために。

どうしても眠れない夜、というものがたまにある。頻度としては年に数回。子供の頃から延々と続く、困った不定期イベントだ。どこかが痛かったり苦しかったりするわけではないのだが、ただただ眠れない。 眠れないなら起きているしかないのだが、一日分の疲れ…

海を見にいく。

海岸沿いを、海を見ながら歩きたい。 ふとそんなことを思い、電車に乗って海を目指す。 海に向かう電車はあまり混んでいない。この電車はいくつかの都内の代表的な大型駅に停車するので、観光目的の乗客以外に、普通に通勤で使う人も使っている。一応、通勤…

夏のピークの火事のこと。

夕方が終わり、そろそろ夜になりますよ、という時間帯に、突然、火災報知器の音が聞こえてきた。まあ、「突然」とは書いたものの、事前に予告してから鳴る火災報知器というものもないような気はする。 僕の住む地域は、小さなマンションやら一戸建ての住宅や…