平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

2020-01-01から1年間の記事一覧

省エネ大賞個人部門。

ああ、はい。そうです。たしかに受賞しました。 いや、たしかにね、僕も意外だなあとは思ったんです。あれって、なんというか、人間がもらう賞だと思ってなかったんで。 でもね、先週、現に電話がかかってきて、担当の方が、「おめでとうございます! あなた…

静物。

久々に髪を切りに行く。 その後、近くのショッピングモールに入っている本屋で西村ツチカの『北極百貨店のコンシェルジュさん』2巻を買う。 帰宅してから少しづつ読み、読み終わった時には夜になっていた。それほど厚い本でもないのだけれど、休憩をはさみ…

スキカキらいかデイウト。

「好きか嫌いかで言うと」 そう彼女が言ったような気がした。 いや、正確には、 「貴方のことを、好きか嫌いかで言うと」 と言ったような気がしたのだ。 僕はおおいに驚いて、画面の向こうの彼女に、その旨を確認した。 今、僕のことを、好きか嫌いかで言う…

彼女が本当は欲しかったもの(ケンタッキー・フライドチキンにて)。

朝、自宅を出る時は肌寒かったのに、診察が終わって病院を出た時にはすっかり暖かくなっていて、自宅の最寄り駅に着くころには少し汗ばんでいた。 さっき寄り道したある商業施設のエレベーターよりも、昨日行った会社のエレベーターよりも、病院のエレベータ…

夕焼け小焼けを聞きながら。

10月になって少し残念に思うのは、毎日夕方になるとどこからか聞こえてくるチャイムの時間が変わったことだ。 『夕焼け小焼け』のメロディにのせて、外で遊んでいる子供たちにはやく帰ることをうながすそのチャイムは、9月までは5時半に流れていたのだ。それ…

大いなる愚者の小さな作戦。

……だから、さっき仕掛けておいた例の装置がそろそろ動きだす頃だろう。そうしたら連中、きっとあの大きな門に殺到すると思うのさ。そうなれば我々としては、がらんどうになった大広間にずらり並べられたごちそうの数々を、端からぺろりと味見させていただく…

彼女が好きなナンバー8。

どこかの家の中から、テレビの音が聞こえてくる。 おそらくそれはニュース番組で、明瞭な男性の声が、 「感染の拡大が続く東京で……」 と言っている。 僕は犬(女子)と朝の散歩中で、思わず彼女に「映画かなんかシーンみたいだね」と言ってみる。 まだ七時前…

雨の中、トイプードルが仁王立ち。

夜中にふと目が覚めて、はてなんでまた今このタイミングで目が覚めたのだろうなどと思う間もなく、寝室がびりびりと震えるほどの轟音である。 その後、カーテン越しでもしっかりわかるほど空が光り、その数秒後に轟音、という組み合わせが3セットほど続き、…

あなたがいるなら。

ふと気づくとまるまる五日ほど外に出ていないということに気づき、たまたま雨がやんでいたので散歩をしてみた。時刻はだいたい19時くらい。またいつ雨が降ってきてもおかしくない空模様だったけど、傘は持たずにウチを出た。もしも雨が降ってきたら小走りで…

僕はいろいろ言葉にできない。もしくは、ゾンビがいないというだけで。あるいは『デッド・ドント・ダイ』。

いや、もう前売り券を買ってあったから、今回はしょうがない。 ……とかなんとか自分に言い訳をしつつ、映画を観に行く。 会社から、外での飲酒や映画館、イベント会場へ近づくことを自粛するよう言われているのだ。もちろんそれは強制ではなく、「自粛するよ…

眠れぬ夜のために。

なんだかよく理由はわからないけれど、どういうわけか眠れない夜がある。 眠れないとはいえ体にはまだ前日の疲れが残っている。だからたとえばむくりと起き上がって本を読むとかパソコンのスイッチを入れるとか、そういう気力はまだチャージされていない。そ…

「あーあ」(もしくは、感染してもしなくても)

この時期の繁華街を見ておきたい。 新しいウイルスのことを意識して、それに触れぬよう静かに息をひそめて生活しているというのが今の生活であり、これは間違いなく僕のささやかな人生の中でははじめての経験だ。この状況がいつまで続くのかわからないけれど…

不要不急の頭髪だけど。もしくは、緊急事態宣言下で髪を切る僕の方法。

そろそろ髪を切ったほうがいいかもしれぬ、などと思いつつ、ついついだらだらと過ごしていたら緊急事態宣言が発表され、「不要不急の外出」と「ぼっさぼさになった頭髪の手入れ」がイコールで結ばれてしまうものなのかどうか思案しているうちに五月になって…

翼をください。

先月から続いていた自宅待機状態がやや緩和され、週何日か出勤することになった。ざっくり計算すると、自宅待機率八割減だ。 ふりかえってみると、ゴールデンウィークをはさんでいるとはいえ、この一か月の間に二日しか出勤していない。これは間違いなく社会…

マリー・アントワネット作戦。

もしかしたら、源氏パイとチップスターがあれば生きていけるのではないか。 緊急事態宣言が発表され、自宅待機生活に突入してしばらく経った頃、僕はそんなことを考えていたのだ。 それはつまり、近所のスーパーから米やらパスタやらパンが消えていた時期で…

#トイレットペーパー買い占めました。

「#トイレットペーパー買い占めました。」 ……というコメントを読んだ私はどう反応すりゃいいのさ、と娘に言われたのは何週間前のことだっただろうか。 ここのところどうも時間の把握がうまくできなくなっているような気がする。時々、つい最近の出来事がやた…

待機と雄たけび。

朝の5時から7時台に犬の散歩をする為に外出する。時間にばらつきがあるのは天気や犬の機嫌によって出発時刻を変えるからだ。今、僕が外出するのは基本的にこの時間帯だけになっている。 ただ、週に一度くらい、夕方の買い出しを手伝うことはある。重たいも…

緊急事態と赤い月。

朝、会社に行こうと自宅を出て、しばらく歩いてからマスクをしていないことに気付く。 時間にそれほど余裕はなく、マスクを取りに帰ったらそこそこ本気で走らないといつもの電車に乗ることはできない。いつもの電車に乗れないということは始業時刻に遅れる可…

カメラとトーク。‐そしてすべてわかるはずさ‐

今、通勤している現場では、三年に一度、入館証の更新を行う。 入館証には氏名会社名が印刷されそのそばには顔写真が添えられている。写真は更新の度に新たに用意するのだが、事前に申し込めば先着数十名は管理課の職員が撮影してくれる。それを逃すとスピー…

腰痛にトイプードル。

ある平日の朝、目が覚めた僕は、「これは大変なことになったぞ」と思ったのであった。 まずは体が動かない。いや、動かそうと思えば動かせないこともないのだが腰から激痛が走る。前の日の午後、仕事中に突然腰が痛くなり、一晩経過し朝がきて、僕の身体は起…

朝寝朝酒朝湯が大好きで。

日曜の朝、たまーに近所の銭湯に行くことがある。 病気持ちになって以来、安価(ここ重要)で手軽(これも重要)にできる心身の疲労回復法を探っている……というほど熱心でもないのだが、なんとなく「そういや近所に銭湯があったな」というようなことを思いつ…

常連さんにはならないで。

薬をもらいに病院に行く。 そこは自宅近くの総合病院で、飲んでいる薬がなくなりそうになると行くことにしている。特に予約はしないが、診察開始時刻の9時に行けば診察と調剤の待ち時間を含めても9時半には帰ることができる。 内科の待合スペースでぼんや…

寒い朝にはベイマックス。

寒い朝を過ごすため、とりあえず着れるだけ着ておけばいいや、というあまり知性的ではない発想で身体の保温を試みたところ、その着ぶくれた様子がベイマックスのようになってしまった。 そういう体型でせまい我が家をのし歩くものだから、拡張され幅の広がっ…

通勤電車はいろいろ満載。

毎日毎日(僕らは鉄板の)、どこかから聞こえてくるのが新型ウイルスの件なのである。 僕の住む町内では、もうすっかりとマスクが姿を消してしまった。会社近くのドラッグストアでは、マスクが少数入荷するという噂がどこからか流れたそうで、その日は店の外…

ウイルスとかについて。

毎日毎日世の中はウイルスの話で持ちきりだ。 ところで、「毎日毎日」という言葉を思い浮かべると、ついつい「僕らは鉄板の」というフレーズを思い出してしまうのをなんとかしたいなあ、と思っている。ちなみにこのフレーズには「上で焼かれていやになっちゃ…

地震速報の鳴った夜。

未明に緊急地震速報が鳴り響き、さすがに家族全員が飛び起きた。 僕が住んでいるところは大きく揺れることはなく、しばらくゆらゆらと床下が動く気配があったものの、すぐに静かになった。 それはそれでほっとしたものの、飛び起きた時の勢いが思いのほか強…

世界にやばみがあふれてる。

会社からの帰り道、電車の中で見かけた三人の女の子たちの話である。 彼女たちはおそろいの制服を着ていて、おそろいの通学カバンを持っていた。背格好や表情などから総合的に判断すると、おそらく高校生なのだろう。ただし、僕はこの手の見立てが大変下手な…

「とりま」の「ま」。

「とりま」という言葉が「とりあえず、まあ」の略だということは知っていたけど、その言葉に出会うのは文章の上ばかりで、音声で聞いたことは今までなかったのかもしれない。 そう思ったのは、仕事中に、僕の席のそばにあるミーティングスペースから、「とり…

できごころや、ワイセツや。

先日知った、近所での「全裸発生」騒ぎ以来、ちょこちょことご当地ニュースを確認するようになった。 hints.hatenablog.com 全国区のニュースにはならないような、登場する地名から現場の場所がだいたい想像できるような、比較的近所を舞台としたそういう記…

全裸発生。

僕の住む町で、事件があったようだ。 これは、スマートフォンに入っているニュースアプリを眺めていて知ったことだ。このアプリでは、自分の住所を登録しておくと、ご当地ニュースを見ることができるのだ。久々にアプリを起動して、僕の目に入った、今年はじ…