平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

トイレからごりごりと音がする。

朝、ぼんやりと考え事をしながらコーヒー豆をミルに入れ、ごりごりと挽いているときに突然トイレに行きたくなり、ふと気づくとミルを持ったまま便座に座りコーヒー豆を挽いている、ということがある。一応書いておくがそうしょっちゅう起きることではない。記録を取っているわけではないから確実なことはいえないが、体感的には半年に一度くらいの頻度ではないだろうか。

早朝にトイレ内でコーヒー豆を挽くという状況を何回か体験して、わかったことがある。
それがどういう原因なのか解明してはいないのだが、コーヒー豆を挽くという活動と、トイレで本来行うべき行動がうまく並行して行える時とそうでもない時があるのである。
そもそも、「コーヒー豆活動」と「トイレ活動」のタイミングが完全に一致することはない(それぞれの活動での力の入れどころと、その時に力を入れる部位が違い、片方の活動のピーク時にはもう片方の活動は休止状態になる)のだが、それぞれの活動が継ぎ目なく行われ「うまく並行している」時には片方の活動しか行われない時間はあまりない。その結果として、個々の活動を別に行うよりは時短的な効果を得ることができる。まあ、それが目当てでトイレにミルを持ち込むわけではないのだが。

これがうまくいかないと、ミルを握ったままトイレ活動を行い、それが落ち着いた時にコーヒー豆活動開始、という状況になり、「それならばとっととトイレから出てからコーヒー豆を挽けばいいではないか」と、すべてが終わってから気づいたりするのだ。

なんとなく、うまく並行している時のほうが身体的精神的なコンディションがいいような気にもなるが、もしかするとお腹の調子が悪い時の副作用として、うまく並行しているという状況が発生するのかもしれない。つまり、下腹部にあまり力を入れなくても「トイレ活動」が充分に行われれば、その分の力を「コーヒー豆活動」に多く割けることになり、結果的にうまく並行するのではないか、という仮説である。その仮説を思いついた経緯については詳しく触れないが、それは相応の経験をすることによって生まれた説ではある。

……というようなことを考えつつ、今朝は久しぶりにトイレでコーヒー豆を挽いたのであった。
ごりごり。