平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

新しいアビリティ、パン屋で発動。

眼科に検診に行く。
今日はいつもと違う検査をするということで、それに必要な目薬を点眼された。それが効いてくると、視界がぼやけ、やたらと世界が明るく見えてくる。検査終了後、半日くらいはその状態が続くそうで、歩きにくいので転倒に注意するように言われる。

世界中に強度のソフトフォーカスがかかり、きらきらと明るく見えるのは不便ではあるが面白い。用心しながらあちこちをきょろきょろ見つつ歩く僕の姿は「生まれてから日が経ってないので歩くことに慣れていない哺乳類の子ども」のようで、事情を知らない人にとっては相当あやしい人に見えていたかもしれない。

病院の近くに人気のパン屋があるということで「哺乳類の子ども歩行」のまま立ち寄ることにする。家族からそこのパンをリクエストされていたのだ。
ソフトフォーカス(強)がかかり、まぶしいほどに明るい店内でパンを選ぶときに、それほどの支障なく値札を確認することができたのが不思議だったのだが、これが「人間はピンチになると秘められた潜在能力を発揮することができる」、つまり、「火事場の馬鹿力」というやつなのだろうか。
「パン屋で潜在能力を発揮することができる」というのも、なかなか独特なアビリティではある。僕は年齢的には立派なおっさんなので、今後その能力を発揮する機会がどれだけあるのか、やや気になるところではある。