平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

夏の散歩にビスケット。

いやしかし暑い。
外を歩いていると、熱せられた空気のかたまりが体にぼうんぼうんと体当たりをかましてくるような、まさに猛暑本番! という暑さである。

この暑さは地上に住む者に平等にダメージを与え……いや、そんなに大げさな話でもないのだけれど、この暑さにしんどい思いをしているのはもちろん我々人類だけではなく、我が家の愛犬もなかなかにしんどそうだ。
なにせ犬は全裸とはいえ全身が毛皮なのである。おまけに裸足。

朝晩の散歩の時間をずらし、なるべく太陽の力の影響を受けないように工夫はしているものの、こうも毎日暑いとなかなかアスファルトも冷めないようだ。そこから発する熱を犬は人間よりも近くで受けることを考えると、

「今日は散歩しなくていいです。シッコとウンチは部屋の隅にでもしておきますから」

というメッセージを背中から発しながらテーブルの下の手の届かないところに隠れたくなる気持ちもよくわかる。言ってみれば部屋の隅をトイレ替わりに使われると困るというのは人間側の都合なのだ。スマートフォンの天気予報アプリから「熱中症注意。原則運動禁止」などという通知が来るこんな日に、散歩に連れ出すのは本当に気が引ける。

ということで、犬の散歩を僕が担当するときは、ついついお菓子を多めに持参してしまうことになる。犬用に調整されたお菓子とはいえ、あまりあげすぎないほうがいいっちゃあいいものなのだが、今回の場合、どうしても「ビスケふたつでよろしくお願いします」という気弱兼低姿勢な状態になってしまうのだ。

ビスケットがふたつももらえるなら……ということで、今のところこの契約は好意的に受け入れられている……ように見える。まあ、これもまた、人間側の都合のいい思い込みなんだろうけど。