どうしてそういうことになったのかよく覚えてはいないのだが、ふと娘に「CDってなんの略称だか知ってる?」と聞いてみたところ、
「お、大喜利か?」
と張り切りはじめた。どうしてそういうことになるのだろう。
とりあえず僕の回答は、
「違います」
……だ。
しばし考えた後、娘の出した答えは、
「CD-ROM」
……であった。
どうしてそういうことになるのだろう。
そして、この答えに対して、父親としてどう向き合ったらいいのだろう。
クイズの答えとして考えれば明らかな誤答ではある。会話をキャッチボールに例えるなら、ほぼ暴投の返球ではあるのだが、略称の語源を問われているにもかかわらず、略称をふたつ内蔵した言葉で回答するあたり、ちょっとしたセンスのようなものを感じないこともないのだ。
ちなみにCDは「コンパクト・ディスク」、ROMは「リード・オンリー・メモリー」の略である。こんなことを聞いたところで、「あ、そうなんですね」としか言いようのないような、知ったところでそれほど得にもならないような、そんな知識ではある。