平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

夜のメロディ。

自宅最寄り駅のひとつ手前の駅から歩いて帰る。
日頃の通勤にちょっとした運動的な要素を取りいれて、健康に気を使っている風を装いたい、という気分もないではないが、どちらかというと、単に歩きたくなって、なんとなく歩く、という、それを理由といっていいのかどうかわからないような動機で、時々そういうことをしている。体を動かすことは全般的に得意ではないが、幸い歩くことくらいはできる。そして僕は、歩くのはけっこう好きなのだ。

とはいえ、だからといって毎日ひとつ手前の駅から歩いて帰宅するのかというとそうもいかない。
まず、暑い時期はダメだ。雨が降っている日も遠慮したい。そして、自宅最寄り駅近くのスーパーでの買い物を命じられているときは、それが最優先のミッションになる。
まあ、それよりも何よりも、ひとつ前の駅で降りて歩く、という帰宅時の選択肢を、なんとなく忘れていていることが多いのだ。歩きたくなる理由もなんとなくなら、歩かない理由もなんとなくだ。

なんとなく、な、毎日。

読点多めでふとこんなことを書いてみたが、もちろん特に意味はない。
なんとなく書いてみただけだ。

Googleマップさんの見立てによると、駅から自宅まで歩いて20分とのことで、そういえば今まで所要時間を気にして歩いたことがなかったことに気づき、ざっくりと計測してみた。
どうやら僕の足では30分くらいかかるようで、意外に時間がかかったんだな、というのが正直な感想だ。まあ、Googleさんの提案した最短コースを忠実にトレースすることを心がけていたわけでもないし、Googleさんが想定する歩行者の足の長さをマイ・コンパスが満たしていない可能性も非常に高い。

「冷たい」の2歩手前くらいの風に吹かれながら、ぼんやりとてくてく歩くのは気分のいいものだ。ポケットに手を突っ込んで(お行儀が悪いですね)、ヘッドホンから音楽を流しながら(音量には気をつけましょうね)。

ちなみに、聴いていたのはTOKYO No.1 SOUL SETの『Jr.』という、もう20年以上前のアルバムだ。収録されているある曲の、

ヘイヘイヘイヘイお手上げだよ好奇心には

という歌詞がとても好きだ。