平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

スランプを突破するたったひとつの冴えたやり方。

キーボードを前にしてしばし時を過ごし、まったく動く気配のない指を見つめていよいよ枯渇したのか、と思う。
そもそも何が枯渇したのかよくわからないのだが、それはおそらくここにこういう雑文を書くにあたって大切なものなのだろう。まあそれがなんにせよ、もともと豊富にあったわけでもないなにかが、いよいよ枯渇してしまったのかもしれない。カシャカシャと何回もポンプ部分を押して何とか1回分のシャンプーを確保していたような状況すら終わったということなのだろうか。ポンプを外してボトルを傾けてももう何も出てこないのかもしれない。これがシャンプーなら、1、2回くらいならなんとかなることもあるのだが。
とにもかくにも、今僕は、文章を書くのが困難な状態にある。書けないわけではないが、いつもより時間をうんとかけて、ようやく絞り出すような有様だ。とてもこれでは、週数回のブログの更新などできそうもない。

……というようなことを考え続けて数日目の今日。ふと気付いた。
僕の起きる時間帯、つまり、深夜と早朝の間くらいの室温が寒すぎて、心身ともに硬直しているのではないか。「この時期のこの時間帯が寒いのは当たり前」などと言いつつ厚着をし、温かい飲み物を用意はしていたが、エアコンのスイッチまでは入れていない。

そういえば、毎朝、僕よりやや遅く目を覚ます犬が、早朝手当のビスケットをもらうとすぐに寝室に直帰するようになったような気もする。いつもなら、僕の足元をうろうろしたり、ひとりで遊んだりした後、満足げにゆっくりと二度寝に戻るのだ。

明日は、エアコンで部屋を暖めてみよう。
もしもそれで、湯水のように言葉が思いつき、絶え間なくキーを叩くようになったとしたら……それはそれでどうしよう。
いや、ここ数日の問題が解決するのあれば、それは大変いいことであるのだが、その原因が「寒かったから」って、文明国ニポンに住む大人が言うにはあまりにも恥ずかしくはないだろうか。
ここはひとつ、「いろいろと思うところがあってスランプに」ということにでもしておこう。

……という一連のあれこれを、毎年くり返している。そして、「ああこれ、毎年やってることだ」と気付いたのが今というわけだ。