平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

野良猫には似合わない指摘。

まだ薄暗い朝、駅に向かう途中で見かけた野良猫は、収集待ちのゴミ袋から何かをくわえて、足早に去っていった。
彼(いや、彼女かも)が誰にも怒られることなく、無事にアジトにたどり着き、がつがつと食事ができるといいなと思う。できればそのアジトに、風や寒さを幾分か弱めてくれる機能があるといいのだが。今朝みたいな日は、ついそんなことも思う。

かといって、「とりあえず雨風をしのげるところで眠ることができる分、僕の方が恵まれてるなあ」などと思うのは早計で、いや、早計というよりは種目が違いすぎる。彼(いや、彼女かも)と自分の境遇をどうしても比較したいのであれば、それなりに緻密な調整が必要になるだろうし、そこまで手間をかけて較べることにどれだけの意味があるのかよくわからない。

少なくとも、彼(いや、彼女かも)は、仕事中の離席が多すぎる、というような指摘を受けて、それについて頭を悩ますことはないだろう。指摘の内容をかみ砕いてみると、どうやら仕事中の離席が多いということを、休憩が多いということと同等に見なしているようだ。とはいえ僕が自分で自覚している休憩は、午前と午後に一度ずつ取る各10分間のみなのだ。それ以外の離席はおそらくトイレのことで、なんとなくそんな気はしていたものの、どうやら僕は他の人よりトイレが近いらしいのだ。
とりあえず年内のところは、「極力トイレはガマンする」という方針で乗り切ってみた。今後も同じ方針でいくか、それともまた別の作戦を練るべきなのか、そこらへんは来年になったら考えることにする。