平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

がんばれ好奇心。

1冊の文庫本を、なかなか読み進めることができないでいる。

ある実在の人物の伝記のようなもので、その人物の歴史的な偉業と生い立ちについて、丁寧に緻密に記載されている。

歴史の教科書のように「年月日」と「出来事」のペアがびしびしと大量に出てくるし、多忙な主人公は縦横無尽にアメリカ中を移動する。登場人物は今のところすべてカタカナ名前の外国人で人数も多く、時々、目にしているカタカナが人名なんだか地名なんだかわからなくなる。
「あいつはパターソンに夢中なのさ」
などと書いてある部分で、あれ、そんな魅力的な登場人物なんかいたっけな、と思っていたら地名のことだったりするのだ。ちなみに「ヒューストン」でも同じような過ちをおかしてしまった。
まあ、日本にも「金沢」とか「山口」とか、地名にも人名にも使われる名前があるので、文句は言えないのだが……って、別に文句を言う気はないのだが、僕は昔から、この手の(やや教科書的な雰囲気のある)文章を読むのが得意ではないのである。自分でも驚くほどのポンコツ読解力だ。
まあ、「読解力の低さ」を「興味の高さ」がなんとか説得して、なんとかちびちびと読み進められている、というところだ。

ところで、自分の名字と同じ名前の町がないものか、少し調べてみた。
そういう地名をみつけることはできなかったのだが、そのかわり、ある地方の小さな町に同じ名前の駅があることがわかった。
無人駅だった。