平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

禁断の果実。

この春から服用するようになった薬には注意事項があり、なんとこれを服用している間はグレープフルーツを食べてはいけないらしい。

服用する期間は未定っちゃ未定なのだが、最低数か月、長ければ一生規模になるようだ。服用しないと体調が大変なことになるのだからこの薬を拒否するという選択肢はないものの、数か月(もしくは死ぬまで)グレープフルーツが食べられないというのはなんともさみしいことである。僕は、グレープフルーツが好きなのだ。

そもそもなぜグレープフルーツを食べてはいけないのか。
当然、それについては医師に確認しているのだが、その理由は、
「グレープフルーツを食べると、薬が効きすぎちゃうから」
……というものであった。
聞いたその時はなんとなく納得し、「なるほどそういうことなんですね」などと言ってみたのだが、よくよく考えるとカチリとうまく頭に納まらない。薬が効くのはいいことなんだから、効きすぎるのであれば万々歳という気もするし、この場合に使う言葉として適当なのかどうかよくわからないがオーヴァードーズという意味合いだとしたらそれは怖いことのような気がする。ただ、コレステロール値を下げる薬のオーヴァードーズがどのような状態をもたらすのかうまく想像はできない。
まあ、なんにせよグレープフルーツは食べてはいけないのだ。その理由については、次回の通院時に医師に再確認することにしよう。

それにしても、よりにもよってグレープフルーツだ。
これだけの大人気大普及果実ともなると、注意をしていても偶然口にしてしまう可能性もあるだろう。さすがに「グレープフルーツ味」みたいなことが料理名やパッケージに表記されていれば避けることができるが、いわゆる「隠し味」的な登場をされたらなかなか気付きにくそうだ。
というより、グレープフルーツ摂取禁止という制約がどの程度厳密なものなのか、医師に確認したほうがいいだろう。

それにしても、よりにもよってグレープフルーツだ。
これがドリアンとかスターフルーツとかいうような、僕の今後の人生に登場する可能性が低そうな果実ならまだよかったのに。

イチジクとかアケビとかセロリとかでもよかったのに。

よりにもよってグレープフルーツだ。