平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

トイレの中の名セリフ。

会社のトイレの個室に貼られた「ボタンは長押し」という注意書きについて、何かひっかかるものを感じていたのだ。

その「ひっかかるもの」は、注意の内容についてのものではない。
ビルの高層階にあるトイレの場合、水を流すためのボタンを長めに押さないと充分な水量を得ることができないらしい。だから「このボタンはゆっくりじっくりと押してくださいよ」という内容の注意書きを見ることは時々ある。少なくとも、それについて珍しいとか違和感がある、ということはない。

僕が感じたひっかかりは、この注意書きの、もっと他のところから発せられている気がしていて、ずっと気になっていた。僕の中のトレンドワード・ランキングで、常に20位くらいにランクインしていたのだ。

その、ひっかかりの理由が、ついさっき判明した。
ついさっきというか、昨晩である。ちなみに、その時僕は入浴中であった。せっかく会社から帰宅してゆっくりと風呂に浸かっているのに、もっと他に考えることはないのか、という気もしなくはない。なにも自宅の風呂の中で、会社のトイレのことを考えることはないじゃないか。

まあ、それはそれとして。
僕の中にあった、「ひっかかり」の正体は、これだったのだ。

「ボタンは長押し」と「ボールは友達」は、ちょっと似ている。

……まったくもう、だからなんだというのだ、という話ではある。
ちなみに、「ボールは友達」というセリフの元ネタになっているマンガ、およびアニメを見たことはない。そういう僕のような人間ですら知っているのだから、やはり名セリフである。余談になるが、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」でおなじみのマンガは一時期けっこう熱心に読んだものだ。まあ、本当に余談ではある。

今の気分を正直にいえば、会社のトイレの「ボタンは長押し」のとなりに「ボールは友達」という貼り紙を掲出したくて仕方がない。ならべて眺めたらちょっと面白いと思うのだ。

「ボタンは長押し」

「ボールは友達」

うむ。
やはりなんとなく響きが似ている。
だからなんだというのだ、響きが似てるからって、それがどうしたというのだ、とは思いつつも、ふふふふふ。