平熱通信

妄想癖、心配性、よそみがち。

寒い朝にはベイマックス。

寒い朝を過ごすため、とりあえず着れるだけ着ておけばいいや、というあまり知性的ではない発想で身体の保温を試みたところ、その着ぶくれた様子がベイマックスのようになってしまった。
そういう体型でせまい我が家をのし歩くものだから、拡張され幅の広がった体のはじっこが気付かないうちになにかに衝突していたりする。体の拡張された部分はおおむね布なので神経などあるわけもなく、だから衝突したなにかが倒れた音などが聞こえてきた段階でようやく事態に気付くことになる。
そう考えると、この寒さ対策もなかなか危険が多い。

ついさっき、テーブルの上に置いておいたステンレス製のタンブラーをひっくり返してしまったのだが、それがフタ付きタイプでなおかつぴっちりとフタをした状態だったので中のコーヒーは二滴しかこぼれなかった。タンブラーの転倒音が聞こえてきたときには、その周囲に散らかしてある本やメモ帳やキーボードのことを考えて頭が真っ白、もしくは目の前が真っ黒(倒したのがコーヒーだけに)になったのだが九死に一生を得てしまった。いや、さすがに「九死に一生」はおおげさか。この言葉は、僕がもっとピンチな状態に陥った時のためにとっておいたほうがいいかもしれない。そしてできれば、そういう状態に陥らないうちに一生を終えてしまいたいところだ。
ステンレス製のタンブラーにコーヒーを入れたのは保温のためで、なぜ保温にこだわったかというと今朝が寒かったからだ。朝が寒いというだけでちょいちょいと事件は起きるものだ。まあ、もしかしたらもっと頭を使って工夫すれば回避できる類の事件かもしれないが。

その後の再発防止策として、タンブラーをテーブル中央に置くことにしたのだが、なるべく衝突しない場所ということで選ばれたその中央部は、当然のように置かれたものが取りにくい場所でもある。それなのに僕は横着してよそ見をしながらコーヒーを飲もうとしたりするので、タンブラーを探してふらふらと揺れる手を縦に長いそれの上部にあててしまい、再びひっくり返してしまった。ただし今回もこぼれたのはコーヒー二滴。もしかしたらそういう仕様なのだろうか。
なんにせよ今回の事件も被害が少なくてよかった。まあ、もしかしたらもっと頭を使って工夫すれば回避できる類の事件かもしれないが。